平成１５年度 事業計画

• スカウトとして誇りをもって取り組もう。
• 指導者は、スカウトの自主活動を促そう。

• 活動プログラムは、地域の人々から認められる活動にしよう。
• 各団の5名増員を達成し、中途退団者をなくそう。

• 団・隊を支える地区機構の改革と、指導者の意識の改革を。
• 団委員長との連携の強化を。

　本年度も、昨年に引き続き、県連盟のスロ−ガンに加盟員1万人達成の推進を掲げ、組織の拡大に取り組む。
　日本連盟においては「第2次中期組織拡充計画（平成15年度・16年度・17年度）」を推進しているが、本連盟も、 この計画と一体となって、各団の団委員・隊の指導者・団の運営に関わる多くの方々とともに、 第1次中期組織拡充計画の達成度との比較を踏まえて、増員計画の目標を設定する。
　県連盟全体の加盟登録は、平成14年度末現在で、6,120名という実態を踏まえて、まず、第一段階として、 平成13年度末の県連全体で6,300名の加盟登録数までは、回復させようという目標値をたてる。 各団、隊は、これに沿った増員対策を立てていただきたい。
　本年から、地区に団担当コミッショナ−を置くこととし、団担当コミッショナーによる、 団訪問「お元気ですか」を推進する。団訪問というと「査察」と受け取る向きが多いが、 本来は「より良いスカウティングを、より多くの青少年に」提供する為に、各団の実態にあわせて、 必要に応じて地区が支援して、お互いに「お元気ですか」「はい、元気に活動していますよ」という状況を つくることが目的である。登録人口の減少の問題が組織内部にその原因があれば、 目をそらすことなく勇気をもって、その要因の解決にむけて取りくまなければならない。
　また、今回の機構改革に伴い、県連盟・地区の各組織は、「より良いスカウティングを、より多くの青少年に」を 目標に、強力な支援体制を組む。

　学校5日制は、私たち青少年団体にとって「追い風」となったのであろうか。これまでの中央教育審議会、 特に15期委員会答申では、今後の教育のあり方について「子どもたちや社会全体に『ゆとり』を確保する中で、 家庭・学校・社会が相互に連携しつつ、子どもたちの「生きる力」を育むということを基本にして 展開されていくべきである」と答申している。
　この「生きる力」とは、子どもたちが自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動できる資質や能力を 身につけていくための学習とともに、学校外、地域社会の中で様々な生活体験、社会体験を豊富に 積み重ねることにより育まれるとしている。
　平成14年7月29日、中央教育審議会は「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策について」の答申を行い、 答申第1部の「今なぜ『奉仕活動・体験活動』を推進する必要があるのか」という中で、 「都市化や核家族化・少子化の進展により、地域の連帯感、人間が主体的に地域や社会のために関わる活動が 少なくなっており、個人と社会との関わりが薄らぐ中で、青少年の健全育成、地域の医療・福祉・環境保全等、 社会が直面する課題に適切に対応することが難しくなっている」実態があると述べている。
　スカウト教育は、人格・健康・技能・奉仕を4つの柱とし、スカウトのモット−に「そなえよつねに」、 そしてスロ−ガンに「日々の善行」を掲げ、日常活動においても「社会のために役立つことをめざす」取り組みを しており、ボランティア活動を具体的に活動プログラムの中に位置づけている。
　日本連盟は、ボ−イスカウト部門の進歩課程の根本的な見直しの中で「スカウトプログラムとは何か、 どうあるべきか」「時代や社会の要請とは何かそれにどう応えていくのか」等について問題提起をした。 そして、スカウト教育の特色であるスカウトの興味や関心を引きだし、自発的な活動を促すことで、 さらに次ぎの活動へ、そしてスカウトの成長へとつなげていくことが進級の基本であることを再確認し、 この改訂に取り入れた。この新しい進歩課程は、スカウトたちの活動意欲を喚起し、隊のプログラムが スム−スに流れ、班が活性化していくことを目指し、スカウトが目標を定め、計画を立てやすくすることに、 その大きなねらいを置いている。

　スカウト運動は、Ｂ−Ｐが提唱するように、「青少年による自主的な教育運動」であり、 指導者の役割はスカウト一人ひとりの成長を支援することにある。スカウティングに関わる大人たちは、 スカウトにとって魅力あるブログラムの展開を図るため、スカウト一人ひとりの特性と能力を活かしながら、 あくまでもスカウトがこの運動の主体であることを忘れずに、常に彼らとの対話を通して運動を進めていく 必要がある。
　「良いスカウトは良い指導者のもとに育つ」と言われる。指導者の確保と養成を隊、団、地区とともに 推進していきたい。また、団担当コミッショナーの具体的な活動は、平成15年6月の県連盟総会後に開始されるが、 団担当コミッショナーが、各団・隊はまず最も身近い相談相手であることの認識が必要であろう。

　県連盟・地区の各組織は、それぞれの設置目的を達成するための運営を強化し、 隊・団の組織拡充にむけた活動展開が積極的にできるよう支援する。
　また、インターネット利用拡大等によって、事務処理の軽減化と迅速化を図る。

　加盟員の減少による県連盟活動費の落ち込み等による厳しい財政の現状を認識し、 考え得るあらゆる収入の確保を図り、新しい資金造成の取り組みを財団法人福岡県連盟と連携して検討を進める。
　それぞれの事業についても優先度・緊急度・重要度の高いものに予算を投入するなど、 メリハリのある事業展開を行う。これらの財政改善に向けた取り組みにより現状の財政危機を改善し、 財政基盤の安定化を図る。
　また、県連盟創立80周年記念の諸事業を3年後に控え、この資金の造成等についても財団との連携を図りながら 取り組む。

　機関紙「SCOUTING　FUKUOKA」および、県連盟ホームページの内容充実に取り組み、 組織内外に対する広報活動の展開と地区・団等の活動支援に積極的に取り組む。
　各団・地区においても、ホ−ムペ−ジの活用や広報誌による「ＰＲ・コミュニケーション」の充実に取り組み、 スカウト活動の理解者を増やし、活動に参加する青少年・指導者の増員に努める。